(症例写真)バストグロウWを5回 その22

かなり痩せている、20歳代後半のモニターさんです。バストグロウWを5回受けました。痩せているため、脂肪吸引が不可能で、脂肪注入が適応外となります。また、バッグの挿入に関しても、バストの皮下組織か薄いため、施行したとしても、バッグの縁がくっきりと浮き上がることが、容易に予想されました。

初診の段階で、あまりのるい痩(痩せていること)の状態から、健康状態が悪いのではないかと疑いを持ちました。しかし、慎重な問診をしても、特に問題はなく、健康診断も、痩せていること以外は、特に何も指摘されたことはないそうです。また、こういった若い女性の場合には、神経性食思不振症も、鑑別に入れるべきですが、それも特に問題はなく、専門家による診断もないようでした。そこで、懸念材料はあるものの、バストグロウWを施行することとしました。

懸念材料というのは、一つは、経過中に体重の維持ができるかどうかというものです。基本的に、体重というのは、摂取するカロリーと、消費するカロリーのバランスで決まっています。しかし、バストグロウでは、あくまでもバストが「成長」することが、その基本コンセプトです。成長にはカロリーが必要となります。しかしながら、痩せ型の体型の方の場合、基本的に摂取カロリーが少なく、そのことで痩せていると言えます。したがって、成長に必要なカロリーが摂取できない可能性があるわけです。その場合、成長にカロリーが一部、使用されると、体重が維持できないということです。

二つ目は、バストに、元々細胞が少ないため、バストグロウWの効果がきちんと出るかどうかということです。術前の写真で見ていただければ分かるように、バストには、皮下脂肪がほとんどありません。したがって、成長の元になる幹細胞や前脂肪細胞なども、かなり量が少ないと考えられます。しかし、脂肪注入によって、皮下脂肪を増やしておくということも、前述のように、あまりの痩せ型体型のため、不可能です。

三つめは、治療期間中に低血糖を起こすのではないかということです。痩せているということは、摂取カロリーもさることながら、病気ではないのですが、すい臓の働きが弱く、血糖値のコントロールがうまくいっていないからなのではないかということです。すい臓は、十二指腸の中に膵液を出して、食物の消化を助けるばかりでなく、血液中にインスリンを出して血糖値を下げ、グルカゴンを出して血糖値を上げるという働きを持った臓器です。そしてインスリンは、全身の細胞に糖を取り込み、グルカゴンは細胞から糖を放出する作用があります。すい臓の働きが弱いと、これらの仕組みがうまく働かず、痩せてしまうことが、往々にしてあります。また、血糖値を上げようとしても、それを供給する細胞が少ないと、血糖値がうまく上がらないことも起こりえます。バストグロウWは、成長因子の働きで、バストの部分を成長させるため、乳房・乳腺の部分で、カロリー源たるブドウ糖もたくさん使用します。そこで、低血糖を警戒していました。

結果としては、上記3点の懸念も取り越し苦労であったようで、ほぼ計画通りに治療を終了し、効果も出すことができました。