治療に対する基本的な考え方(コンセプト)

バスト・グロウは、文字通り、「バストが成長する」という意味です。したがってバスト・グロウは、バストを成長させる豊胸術です。これまでの豊胸術の考え方は、バッグを挿入する方法であれ、脂肪を注入する方法であれ、また、ジェル状の物質を注入する方法であれ、「何かを入れて、バストの体積を増やす」という考え方です。この考え方の下に、入れるものがシリコンバッグだったり、脂肪・ヒアルロン酸・アクア何とかというジェルだったりといった具合に、それぞれの方法に対応して、使用するものが違い、方法の名前の元となっているのです。しかし、バストグロウの場合には、「成長させる」「育てる」という考え方が基本になっています。つまり、体積を増やすために何かを入れるという、人工的な造形ではなく、あくまでも自然の法則に則っり、それをコントロールすることを、基本的なコンセプトとしています。

バストの成長の仕組み

基本的に、バストは思春期に著しく成長します。その仕組みは、女性ホルモンの血中濃度が上昇し、それが乳房に作用するためだということは、学校の保健体育でも習うことだと思います。この、女性ホルモンのバストへの作用ですが、実は、女性ホルモンは、バストが成長するときには、成長因子を介して乳房に作用しています。ホルモンは細胞膜のレセプターと言うところに作用し、そのリセプターが成長因子の量を増やしたり、活性化させたりすることで、細胞に対して働きかけます。バストの場合には、乳房の成長という面では、女性ホルモンが、乳腺やその周囲の脂肪組織の細胞に働く際に、成長因子を活性化させることで、バストが成長するというわけです。 解りやすく、キャッチボールに例えるなら、ホルモンが投げられたボールに相当し、それを受けるグローブが成長因子であり、バストの成長がストライクということができます。

ホルモンと成長因子

では、女性である限り、女性ホルモンの体内分泌があるはずなのに、どうして思春期の後には、バストが成長しないのかという疑問が出てくると思います。また、女性ホルモンを補ってやっても、豊胸効果に結び付かないのはどうしてなのかという疑問も出てくることでしょう。これは、バストの成長が、前述のように、ホルモンだけで獲得されるものではなく、女性ホルモンと成長因子の両方が必要なものだからです。
ホルモンの減少に対しては、女性ホルモンの量を調節するということになりますが、それでも、思春期並みに、長期にわたってホルモン量を上昇させると、その他のホルモンとのバランスに不具合が生じて、色々な不都合が発生します。そこで、体外からの女性ホルモンの補給は、短期間に止めるか、少量を周期的に補充する必要があります。では、それら限られた女性ホルモンの下で、バストを成長させるには、どうすればいいのかということです。それは、限られた女性ホルモンを、より効率よくバストに作用させるという発想になります。つまり、もう一つの要素である成長因子の、バストへの補充ということになります。

バスト・グロウは減少した成長因子の補充

人間の体内組織内の成長因子は、年齢とともに減少していきます。それは、身体を構成する組織や、それを構成する細胞の性質が変化するためです。その変化の一つとして、成長因子の減少ということもできるでしょう。だから、ホルモンをいくらたくさん補充しても、大人になると、その効果が出にくいばかりか、効果を出そうとして補充量を増やしたり、長期にわたって補充を続けると、副作用としてのホルモンバランスの乱れによる、様々な症状が発生するリスクが増加するのです。
幼少時の身長や体重の増加は、年々、そのスピードが遅くなり、最終的には止まってしまいます。このこともまた、組織内の成長因子の減少によるものです。そこで、限られた女性ホルモンの下で、それをより有効にバストに作用させようと、成長因子をバストに補充するのが、バストグロウなのです。

「成長」がバスト・グロウのキーワード

以上をまとめると、バストグロウとは、バストの組織を思春期に似た状態に持っていき、限られた女性ホルモンの、バストへの豊胸効果を、できるだけ引き出してやる方法であると言えます。

バストグロウは、手術をせず、異物を残さず、自分のバスト。

バストグロウは、バストの成長過程に則り、自分のバストの組織そのものを大きくする、豊胸術です。これまでの豊胸術は、どうしても手術を伴うものでした。具体的には、シリコンバッグを胸部に挿入するものや、脂肪吸引で採取してきた脂肪をバストに注入するといった具合です。確かに、注射で行う豊胸術というものもありますが、それは、吸収性の液体(ヒアルロン酸など)を注射するもので、効果の持続性は短いものです。そしてこれらの、これまでの豊胸手術・処置の欠点を補い、あくまでも自分のバストであり続ける豊胸術が、バストグロウです。

シリコンバッグを挿入する方法は、わきや乳房の下のしわに3~4㎝の切開を加え、乳腺の下や大胸筋の下に、ほぼ胸全体の広さにわたってポケットを作成します。そのため、手術操作自体は広範囲に及び、麻酔も全身麻酔など、大規模なものになります。また、手術範囲が広いため、それに伴う出血や、術後の痛みも、強いものになる傾向にあります。
特に大胸筋の下に入れる場合、術後の出血や痛みは、乳腺の下に入れる場合よりも、強くなります。痩せている方の場合には、バッグの形が、できるだけ外側からわからないようにするために、この、大胸筋下に挿入する方法を取らざるを得ません。
また最近では、術後のマッサージを簡略化できるとされている、テクスチャード・タイプという、表面のザラザラしたシリコンバッグは、あるリンパ腺の癌の一種に関して、発がん性との関連が確定しました。そして、現在、メーカーが自主回収措置をとっています。
この豊胸術の利点は、元の切開創からシリコンバッグを取り出せば、切開創を除いて、元の状態に戻せるということです。

脂肪注入による豊胸術は、注入する脂肪を採取してくるために、脂肪吸引手術を行う必要があります。豊胸そのものは、注射によるものですから、胸への負担は少ないものです。しかし、この脂肪吸引手術が、バッグを挿入する豊胸手術以上に、身体への刺激の大きなものになります。また、脂肪を注入する技量によって、結果に大きな差が生じるという面もあります。未熟な技量による脂肪の注入は、多くの大きなしこりを残す結果となり、乳房の変形や、手触りの不自然さの原因となります。そして、単純な脂肪注入では、どんなに習熟した技量をもってしても、注入した脂肪の約30%しか、バストに残りません。最近は、コンデンスリッチや幹細胞、セリューションなど、注入した脂肪がより多く残るとされる方法も出てきましたが、基本的には、術者の技量の差が大きいと言わざるを得ません。コンデンスリッチや幹細胞などを使用すると、注入した脂肪のうち、約60~80%がバストに残ります。但し、高い技量によって注入手技が正くなされるということが、前提です。
この豊胸術の利点は、異物ではなく、自分の組織を利用しているという点です。

これまでの、注射による豊胸術は、いわゆるプチ豊胸として、吸収性の液体を、乳腺の周囲の脂肪層に注射するものです。この方法の問題点としては、やはり豊胸効果の持続期間でした。そこで、ヒアルロン酸以外の、アクアフィリングやアクアジェルといった、長持ちするジェルを使用して、豊胸効果を長持ちさせようとしましたが、乳房の変形やその他の不具合が多く報告され、現在、学術的に警告が発せられ、事実上の使用禁止となっています。
また、ヒアルロン酸を使用した場合であっても、その分子構造上、架橋度の高すぎるものを使用した場合には、吸収されずに、硬いしこりとして残ってしまうことがあります。
この方法の利点は、手術を伴わず、麻酔や出血・術後の回復において、身体への刺激が少ないということです。

バストグロウは、乳腺の周りの皮下脂肪組織に、成長因子製剤を主体とした注射液を注射して、自分のバストの組織を成長させる豊胸術です。手術を伴わないにもかかわらず、自分のバストが成長するため、老化に伴う下垂・萎縮などは、元々サイズのある方と同様に、徐々に発生しますが、その豊胸効果は生涯に及ぶことが予測されます。
欠点としては、効果に±20~30%の個人差があるということと、一度に巨乳化は不可能であるということです。